悟りの窓

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毒母だけじゃない!世間からみた「ふつうにいい母親」が娘に重くのしかかる

約10分
毒母だけじゃない!世間からみた「ふつうにいい母親」が娘に重くのしかかる

タイトルが意味すること、それは母が娘の人生を支配するということであり、挙げ句の果てには、乗っ取ってしまうということです。

乗っ取られた娘の方は、人生が自分のものではなくあたかも母親のもののようになってしまうことにより、さまざまな問題をかかえてしまいます。

一人の人間として自立して生きていかなければならない大人になってから、その弊害はさらに大きくなっていき、一生にわたって娘の人生に暗い影を落とします。

それに関する特徴と対策についてまとめてみました。

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1.アダルトチルドレン 、毒母という言葉が生む新たな問題

以前に比べると、アダルトチルドレン や毒親、毒母という言葉も、問題に悩む当事者においては、だいぶ知られるようになってきました。

これはこれでよいことではありますが、逆に新たな問題も生んでいるように感じます。

ところで、アダルトチルドレン について復習しておくと、機能不全家庭で育ち、子供なのに早く大人になることを余儀なくされた人を指します。

この考え方は、もともとはアルコール中毒者が親であるから端を発しており、機能不全家庭とは、親が愛情をもって子供の面倒をみるという家庭が当然満たすべき基本的な機能を持っていないことを意味します。

また、毒親、毒母という言葉は、同じ現象について親の側に視点を移した言葉で、子供を傷つけ、悪い影響を与える親のことを言います。

世の中にはたしかにロクでもない親がいて、子供が気の毒でならないケースもありますが、そんな親であっても、子供は親より自分の方が悪いと思い込むケースがあとを絶ちません。

そこで、子供に罪はなく、親の方が悪いということを明確にするために、「毒」という厳しい表現が使われるようになりました。

 

これによって生じた新たな問題とは、正常と異常という境界線を引いてしまったことです。

アダルトチルドレンや毒母という言葉によって、深刻で一般的にみれば異常な状況を明示することで、かえってそれ以外はふつう=問題なしという認識を生み出してしまったのです。

一般に、家庭は閉じた世界です。特に、小学校低学年までは他の家庭の様子をみることはありませんので、子供にとっては自分の家庭がすべてです。

両親が不仲で食卓に会話や笑いがなく、常に緊張を強いられるような状態だったとしても、それがふつうと思い込んでしまうということです。

こんな話もあります。アルコール依存をはじめ、大きな問題を抱える家庭ほど、あたかもそれがなんの問題もないことのように振る舞うことを構成員に要求し、外部に対してはその秘密を固く守らせようとします。

ある有名な研究者は、アルコール依存の父親のことを「リビングの真ん中に居座る怪獣」と表現しました。リビングで怪獣が暴れるので、家庭はめちゃめちゃに壊れているのに、家族全員が怪獣などいないかのような態度をとると。

これを正常化バイアスといって、客観的に異常な状況でも、その渦中の人はそれが正常であると錯覚しやすい傾向にあります。

 

これらを考え合わせると、母娘関係が人生に影を落としていながら、それに気づかないまま苦しんでいる人が案外少ないということが考えられます。

2.こんな症状が出たら要注意!

以下では、母親が娘の人生を支配してしまったことで、娘の側に生じやすい問題や悩みをまとめてみました。

思い当たるものがたくさんあるようであれば、母娘関係を疑ってみる必要があるかもしれません。あなたは大丈夫ですか?

(1)閉塞感、生きづらさを感じる

閉塞感や生きづらさという言葉は、はっきりした原因がないにもかかわらず感じるものです。子供にとって母の愛は空気のように常に身の回りにあって自分を守ってくれるものです。

しかし、その母の愛が無意識であれ母親の道具として自分を利用するものであったとしたら、まさに真綿で首を締められるような苦しさを覚えるのではないでしょうか。

(2)がんばりすぎる

娘を支配しようとする母親は、期待という手段で娘を意のままに操ろうとします。娘は母親が好きなので、これに応えようとがんばります。

しかし、未熟な母親は、期待に応える娘=いい子、期待を裏切る娘=悪い子というものさしで我が子を評価しています。子供はいつしかそれに感づいてしまうので、期待に応えるいい子でなければ自分は母から愛されない、と思ってしまいます。

時に体を壊してまで、がんばりすぎてしまう原因です。

(3)自分を抑えてしまう

支配する傾向のある母親の元で育った娘は、自分が感じていることや考えていることを抑えがちです。

なんでも先回りして、母親がテキパキと物事を進めてしまったり、答えを与えてしまうので、娘の方はそうじゃないと言い出せなくなります。

「あなたはいつもぼんやりしてるから心配なのよ」とあなたのためを強調しますが、子どもがありのままを表現することを待ってあげられないだけなのです。

(4)自分には価値がない

自分の感覚や思考は、自分の本質と密接に関係しています。それを尊重されなかった子供は、そのままの自分に価値を見出すことができません。

人は生まれながらに、自分のことを受け入れて、肯定することができる力を持っています。それが、生きていく力の源と呼べるものですが、母親に支配された子供はその大切な力を奪われてしまうのです。

(5)完璧主義と劣等感

母親は自分の理想を生きてくれるよう娘に押し付けるので、子どもはできたところよりできないところに目がいく完璧主義に陥りがちです。

そして子どもなので(というか人間なので)、母親の要求を完璧にみたすことはできず、それが自分はできない、ダメなんだという劣等感の要因ともなったりします。

3.大事なのは世間ではなく当事者の感じ方

上記のような症状に当てはまったとしても、子どもの立場からは、なかなか認められないのがこの問題のむずかしいところです。

虐待やネグレクト、アルコール中毒など、外部から見るとわかりやすい形でさえそうなのです。

まして、世間からみて、かいがいしく世話をするいい母親、子どものために自分を犠牲にしている母親、良妻賢母となった場合はなおさらで、誰にもわかってもらえず、非難されることさえあるでしょう。

でも覚えておいて欲しいのは、その罪悪感さえ、母親が娘を支配しようとする際に用いる常套手段なのです。

「こんなによくしてもらっているのに、自分はなんて冷たい人間だろう」

「実の母に対してこんな気持ちを抱くなんて自分は鬼かもしれない」

そんなふうに自分のことを責めるのはやめましょう。

 

大切なのは行動や言葉など、表に現れる形ではないのです。

形はどうあれ、母親が娘を支配することで自分の欲求を満たそうとしているのであれば、それは虐待と変わらないのです。

欲求とは、果たせなかった自分の夢を果たすことであり、自分の価値を証明することであり、夫に対する不満のはけ口とすることなどです。

もちろん人と人ですから相性の問題もあります。

母親が世話好きな細かいタイプ、あなたが放任主義でおおらかなタイプだったとしたら、母親の世話をさぞうるさい干渉ととらえたかもしれません。

自分の子供が生まれても、母のようには母親らしいことはできないため、母親失格と思ってしまうかもしれません。

 

でも、そんなことはないのです。母親は母親、あなたはあなたで別の人間です。

あなたにはあなたの感じ方があるし、生きづらければ生きづらいと言っていいのです。罪悪感を感じる必要はありません。

 

4.人生を取り戻すための処方箋

続いて、母親の支配から脱して、自分の人生を取り戻すための処方箋を示しましょう。

(1)自覚を持つ

母親の言動が世間からみて普通であっても、非難されるかもしれなくても、そして、大事なことです。母親自身もまったく無自覚であったとしても、自分が母親の支配により、多大な影響を受けて傷ついていることを認めましょう。

そのことに罪悪感を感じる必要はありません。幼かったあなたに抗うすべなどなく、本当にかわいそうな被害者なのですから。

(2)被害者をやめる

前項と矛盾するようですが、自分が母親の支配によって人生を奪われたと自覚できたら、今度は被害者の立場から降りましょう。

なぜなら今のあなたは大人であり、今この時から、自分の人生を主体的に切り開くことができるからです。

無力な被害者でいる限り、母親との関係性を建設的な方向に変えていくことは不可能です。

(3)復讐しない

もしかすると、母親に強い怒りがわくかもしれません。自分が思うとおりに人生を生きられなかったこと、母親に人生を台無しにされたとさえ感じることもあるでしょう。

しかし、仕返しをしようとしてはいけません。被害者、犠牲者の立場にあなたを縛り付け、あなた自身をさらに傷つけるからです。

感じなくてもよい罪悪感をさらに燃え上がらせることになってしまいます。

(4)相手を変えようとしない

自分が受けたマイナスの影響を自覚する時、潜在的に不快に感じていた母親の態度がさらに勘に触るようになるかもしれません。

でも、それを変えようと奮闘するのは労力の無駄というものです。自分が変わることで結果的に母親が変わることはあるでしょう。

大切なのは自分がよりよく生きるにはどうしたらよいかということです。

(5)考え方を変える

すべてのことには、デメリットだけでなく隠れたメリットが存在します。母親からの支配も例外ではありません。

本質的には被害者は存在しないのです。視点を高く持ち、視野を広げることで、起きたことは自分にどんなメリットをもたらしたかを知ることができます。

このような考え方は今後の人生を主体的に生きる上でとても有益です。

(6)許せなくてもよい

一方で、強い怒りを鎮めるため。相手を許そうという気持ちがわくかもしれません。母親には母親が生きてきた人生があり、娘への愛のつもりで支配に及んでしまったこともあるでしょう。

もし、母親のやったことをすべて受け入れ、感謝できたらそれはすばらしいことです。

でも、それができなくてもいいのです。今の時点では、自分の感じていることを肯定することを心がけましょう。

(7)絶縁ではなく疎遠に

母親の悪影響を感じているなら、できるだけ距離を置くのは、あなた自身を尊重するうえで、大事なことです。

でも、絶縁までする必要はありません。相手はあなたを激しく非難するでしょうし、かえって事態が悪くなるかもしれません。

連絡や行き来する頻度を減らすなど徐々に疎遠になる方が、相手を刺激せず罪悪感を感じることも少ない点でベターと考えられます。

5.根本原因を探る

さて、このような出来事や現象、当事者とすればなんで自分の身に、というところでしょう。できれば起こってほしくないことでしょう。

しかし、一段高い視点に立てば、「起きることにはかならず理由がある」というのが本当のところです。

考え方のところでも書いたように、すべての不都合に見えることの裏側には隠れたメリットがあります。

それは結局のところ、自分の心を成長させ、魂を磨いていくということです。

つらくて仕方がないとき、こんなことはなんの役にも立たないかもしれません。

しかし、対症療法で窮地を抜け出したら考えてみる必要があるかもしれません。

自分を成長させない限り、同じような課題は形を変えて、別の悩みとして人生に現れてきます。

いちいち解決策を探しているとキリがなくたいへんなので、ここでも少しだけ触れておきます。

問題とは本質的には、自分の成長のために現れており、その究極の解決法がさとりというわけです。

6.まとめ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一番だいじなことは、世間ではなく、あなたの感じ方です。

あなたがあなたであることは、何にも増してかけがえのない最高の価値です。

あなたが自分を解放することは、また、母親が自分を解放することを助けることにもなるのです。

どうか「世間のふつう」というありもしない基準にまどわされることなく、ご自身の人生を生きられることを祈っています。

以上

 

悟りについては、こちらのページもご参考にしてください。

悟りの本質

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この記事を書いた人

祇場 駿矢(しば しゅんや)
幼い頃から「人は何のために生きるのか」「人はどこからきてどこへ行くのか」「ここは自分がいる場所ではない」などと考える子供だった。

ところが、昭和の成功の常識に染まり、京大法学部からメガバンクに。バブル崩壊からITバブル、リーマンショックなど日本経済の栄枯盛衰を経験。

忙しい毎日を送りつつも、目に見えるモノ(物質、金銭、地位、肩書き)では、決して心が満たされることはないことに気づく。

世間的なうたかたの価値に見切りをつけ、人間が生きることの本質的価値を探究して2014年に銀行を退職、起業する。

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